ツナギ玉決済でリスク対リターンを変更する

前回の記事にて、素直に損切りした場合は+1万円/-4万円という賭けをツナギ売りによって+4万円/-6万円の賭けへと条件変更できることを提示しました。

状況を簡単におさらいしておくと、こんな感じです。

●事前設定のレートで損切りした場合

100円で1枚買い ・・・ 01
98円で損切り ・・・ 00】 (-2万円の損失)
96円で再エントリー ・・・ 01
シナリオ1 :99円 ・・・ トータル+1万円
シナリオ2 :94円 ・・・ トータル-4万円

○事前設定のレートでツナギ売りした場合

100円で1枚買い ・・・ 01
98円でツナギ売り ・・・ 11】 (-2万円の評価損
96円で1枚買い ・・・ 12

(※ポジション表記が分からない方はこちらの記事をご覧下さい

勝率が同じだとすれば、当たったら+1万円、外れたら-4万円という賭けと、当たったら+4万円、外れたら-6万円の賭け、どちらに賭けたいですか?という問いだったのですが、負けたときの損失額が利益額よりも大きいという点はどちらの選択肢にも共通する点です。

あえて賭けなければいけないなら後者に賭けるけれど、そもそも賭けなくていいのであれば正直どちらにも賭けたくないなあ、というのが大方の本音かと思います。・・・だって、負けたときの方がダメージ大きいですし。

せめて、リスクとリターンが同等ぐらいであれば賭けてもいいけどって思いませんか?具体的に言えば、+4万円/-6万円じゃあ賭けたくはないけれど、+5万円/-5万円だったら少し考えませんか?

実を言うと、そんな都合のいい方法があったりするんです。

結論を先に書きましょう。98円の売り玉を外すレートを意図的にずらすことで、リスク対リターンの比率も適宜変更されるのです。仮に95.90円で外した場合、99円になれば+41,000円/94円になれば-59,000円という賭けになります。以下の図は10銭刻みで売り玉の決済レートを変更したものです。

95円で売り玉を決済した場合、+5万円/-5万円という賭けに様変わりします。94.10円で外した場合は+59,000円/-41,000円という構成比になりますが、さすがに99円まで戻る前に94円でストップロスが発動するでしょうから、現実問題としては想定する必要はないかと思います。

96円で買い玉を建てた後の展開として、そのまま96円を基点にV字回復という状況は望むべくも無く、だいたいにおいて96円をいくらかは割り込むことが多いことでしょう。底値で買えるなどという前提は、楽観的にも程があるというものです。

95.50円で売り玉を外すのか、95 円で外すのか、はたまた94.50円で外すのかは各トレーダーのリスク許容度によって変わってくるはずですが、+1万円/-4万円の賭けを+4万円/-6万円(最大+59,000円/-41,000円)という条件に作り変えることが出来る点にツナギ売りの有用性があると考えられます。

通常の損切りに比べて最大2万円の損失を余分に引き受けることになることになりますが、リスクを負わない投資法など存在しません。95円で売り玉を外した場面を想定すれば、1万円の損失リスクを余分に引き受ける代わりに、99円になった場合利益収支は4万円増加することになります。

99円になった場合=通常+1万円→+5万円= 4万円利益増加
94円になった場合=通常-4万円→-5万円= 1万円損失増加

ツナギ売りをしようがしまいが、利益になるためには予想した好シナリオが実現する必要があります。今回の場合は94円になるよりも早く99円になる、という展開ですね。ツナギ売りをしたからといって、予測を常に誤っていいという訳ではありません。その点では通常の損切りと差異はありません。予測が外れれば、当然ですが損失額が拡大します。

ただし、ツナギ売りを上手に利用することによって、勝ったときに得られるリターンと負けたときに被るリスクの比率を意図的に変更する事ができるのです。この概念を知っているだけでも、何も考えずに損切りするぐらいなら、とりあえずつないで評価損だけ確定しておけばいいや、と結構気楽に構える余裕が生まれます。後で、売り玉なり買い玉なりを決済して、また再チャレンジすればいいだけですから。

この違いは案外デカいですよ。

さて、今回の日記では、ツナギ玉(98円の売り玉)を決済するタイミングによって、損益バランスを変更するという点について論じてきましたが、実はまだ損益バランスを変更する方法論は存在します。・・・まだあるのかよっ、て感じですが、まだあるんです。

○事前設定のレートでツナギ売りした場合

100円で1枚買い ・・・ 01
98円でツナギ売り ・・・ 11】 (-2万円の評価損
96円で1枚買い ・・・ 12

上表を改めて眺めてみると、、まだ意図的にいじれる部分がありますよね?

そう、96円で1枚買いという最終工程です。これ、1枚買いじゃなくて、2枚だったり、3枚だったら損益バランスはどう変わるのでしょうか?

更に言えば、枚数同じであっても、買いじゃなくて売りだったら何か違いがあるんですか?

いやあ、考えるべきポイントは尽きませんねえ。両建てって考え出すとめちゃめちゃ奥が深いんです。論文書けるかもなあ、このテーマで。トレードそのものよりもこういうロジックを考えているときの方が楽しかったりします。個人的には

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■カスタマーレビュー
★★★★★あー、意外とこんな緩めの売買で良いんだなー
★★★★☆:両建ては、やっていてとても楽しいです
★★☆☆☆:あまりにFXトレードを軽視及び偏視し過ぎている
☆☆☆☆:FXでのツナギ売買は無駄では?