第一章:なぜ日本人は投資ベタなのか(2)

反論1:リスクとるのが嫌い

まず、リスクとるのが嫌い、という点に関してですが、大多数の方はFX投資におけるリスクとは何かをそもそも理解していません。何となく、漠然と怖いものだという程度にしか認識していない。リスクそのものを評価できない。よく分からない。だから怖い。そのような結論に至るのは当然の帰結です。

必要なのは、リスクそのものを自分なりに評価できるようになること

それさえできれば、確率論的に割が合いそうであればリスクを負えばいい。そうでなければ見逃せばいい。端的にいえば、それがすべてです。

そんな訳で、まずもって身につけるべきはリスクを自分なりに評価する方法ということになります。それを知らないうちは、投資ってよく分からないし、怖いと思うのは当然ですし、近づかない方が無難であることも確かです。

反論2:英語が苦手

次に、英語が苦手という点に関して。金融業界を目指している就活生とかであればそれはかなりのハンディとなりますが、FX投資を行うに当たっては、とくに英語が苦手でも何の問題もありません。口座開設等は日本語オンリーですし、運用に際して英語に触れなければいけない場面も皆無です。

英語で読み書きができないと、情報収集に関して格段に差がつくのでは?といったご指摘もあるかと思いますが、情報そのものをさして必要としない運用スタイルとしていれば欠陥とはなり得ません。

反論3:ロジックも苦手

ロジックが苦手という点に関して。もちろんFX投資では数字を扱う訳ですから、算数的なものは出来るに越したことはありませんが、だからといって高度な頭脳は必要ありません。ひとまず「中学生程度の計算力」があれば十分です。それすらあやしいという方は、小学生低学年向けの算数ドリルをやりましょう。

また、日本では論理より「みんなが言っていること」が大事だから金融業が向かないという指摘もありましたが、為替のマーケットはロジカルに動く部分もありますが、市場参加者の「気分」で動くこともままあります。みんなが買ってるから買う。みんなが売ってるから売る。……みたいな。

なので、「市場参加者たるみんなの気分」に同調できるというのは運用面において必ずしもマイナスにはなりません。むしろ、完全に同調できるとしたら成功者間違いなしです。

反論4:スピードが大事

スピードが大事という点に関して。FX投資においても、意思決定すなわち買うか、売るか、保有し続けるか、あるいは今すぐ降りるのか。といった判断のスピードが文字通り生死を分けるという側面はたぶんにあります。

ですが、別に我々の多くは投資だけで食べていかなければいけないプロではありません。顧客からお金を預かっているのだから、四半期ごとに運用益をださなければならないなどという時間的な制約もありません。だから、のんびり構えていればいいんです。

毎日が秒単位や分単位の決断の連続で、その判断を誤ればすべてを失うというような賭け方をしなければいいだけです。というか、そういう賭け方をしている時点で先がありません。常に正解を選びとれない以上、いずれ破綻します。むしろ、金融のプロと違った時間軸で臨む方が長期的には成功するでしょう。

スピードが重視されない賭け方をする。その極意は単純で、短期間で儲けようとしないことに尽きます。

反論5:金融は専門知識がすべて

金融は専門知識がすべて、という点に関して。FX投資を始めるにあたって必要な知識は本書を読むだけで粗方身につきます。まずは投資の根幹をなす原理・原則を身につけましょう。それさえ身につければ、あとはいかようにでも応用が可能となります。それ以外の知識はいってみれば枝葉末節に過ぎません。

金融は専門知識がすべてではありますが、無駄な知識や技術まで抱え込んでいると、かえって判断に迷うという場面も珍しくありません。重要なのは何が中核で、何が枝葉なのかを見極めることです。

反論6:お金が汚いものだと思ってる

お金が汚いものだと思っている、という点に関して。パソコンをちゃかちゃかやって、クリックひとつで大金を稼げるようになると、まともな労働意欲が育たない。市民的な成熟を阻害するから、投資なんてやるなという意見の方も中にはいらっしゃるでしょうが、その意見は極端に過ぎるというものです。

たしかに投資活動によってリターンを得るという過程は、肉体的な疲労や人間関係の摩擦といったものとは縁遠い環境下にあり、まともな社会生活を送ることと正反対のベクトルであるように思います。パソコン1台さえあれば誰にも会わずに投資活動ができるがために、遅かれ早かれいずれは社会から隔絶するというのは必定であるかのようにも見えます。だから投資なんかやるな、と。

ですけど、そのようなある種社会と隔絶するような生き方を志向する人々ってクリエイターみたいな類であればよくある亜型ですよね?原稿書くために引き籠っている小説家とか、明日の巨匠を目指して製作に打ち込む芸術家とか。

そういったクリエイター的人種が社会と隔絶するのはオーケーだという文化的な土壌は何となくありますが、なぜだかトレーダーだとそうもならないのが不思議でなりません。どちらも個人的な活動がベースであり、技芸を極めるという点において相違はないのですけどねえ。

それに、トレーダーないしは投資家としてそれなりに経験を積めば、「自分の資金を運用する」という以外にも「他人に教える」「他人の資金を預かって運用する」という形で社会と繋がることもできます。本を著すことも、講演で話すことも、カフェで投資談義することも、高額な料金をとってコンサルすることも、ファンドの責任者になることも望めばできるかもしれません。

トレーディング知識やスキルを活かして、証券口座の特徴などを紹介してアフィリエイトのような形で紹介報酬を得ている投資家もいます。FX投資を指南するWEB教材等を経験者ならではの観点からレビューして報酬を得ることも可能です。

FX投資をやっているなどと言うと、周囲の人間には「数字に強い」というイメージを持って遇されることが多くなりますから、何らかのビジネスやプロジェクトを動かすという段になると一報が入るようになります。そういう点においても結構便利です。

FX投資を始めること。それは、大袈裟ではなく、社会と繋がる「武器」になります。