当サイト運営者【山田剛士】の発行する投資メルマガです。
もしも周囲の人間に、自分は絶対に正しいというワンマン企業の社長サンやカースト制度の頂点に君臨するお偉い教授様然とした方がいらっしゃったら、その方のバックの中や机の上にでも、そっと本書を忍ばせてみてはどうでしょうか。もしかしたら、人格カイゼンの効果が期待できるかもしれません。
本書はこのように語っています。
いま、私たちがごく自然に、ほとんど自動的に行っている善悪の見きわめや美醜の判断は、それほど普遍性をもつものではないかも知れない、ということを常に忘れないことが大切です。それは言い換えれば、自分の常識を拡大適用しないという節度を保つことです。私たちにとってナチュラルに映るのは、とりあえず私たちの時代、私たちの棲む地域、私たちの属する社会集団に固有の民族史的偏見にすぎないのです。
世界の見え方は、視点が違えば違う。だから、ある視点にとどまったままで「私には、他の人よりも正しく世界が見えている」と主張することは論理的には基礎づけられない。私たちはいまではそう考えるようになっています。このような考え方の批評的な有効性を私たちに教えてくれたのは構造主義であり、それが「常識」に登録されたのは40年ほど前、1960年代のことです。構造主義というのは、ひとことで言ってしまえば、次のような考え方のことです。私たちはつねにある時代、ある地域、ある社会集団に属しており、その条件が私たちのものの見方、感じ方、考え方を基本的なところで決定している。だから、私たちは自分が思っているほど、自由に、あるいは主体的にものを見ているわけではない。むしろ私たちは、ほとんどの場合、自分の属する社会集団が受け入れたものだけを選択的に「見せられ」「感じさせられ」「考えさせられている」。そして自分の属する社会集団が無意識的に排除してしまったものは、そもそも私たちの視界に入ることがなく、それゆえ、私たちの感受性に触れることも、私たちの思索の主題になることもない。私たちは自分では判断や行動の「自立的な主体」であると信じているけれども、実は、その自由や自立性はかなり限定的なものである、という事実を徹底的に掘り下げたことが構造主義という方法の功績なのです。
このように、構造主義という哲学・思想を軽い語り口で語る本書は、オレ様人間に自己を見つめなおす契機を与えるだけでなく、誰が読んでも何らかのヒントや気付きを得られるようなよい出来に仕上がっております。
又、構造主義という何だか物々しい感じに及び腰の方は、内田樹のウチダ節が炸裂しており、とっても軽い文体になっておりますので、御安心下さい。
帯文の一部を引用してみます。
レヴィ=ストロースは「みんな仲良くしようね」と言っており、バルトは「ことばづかいで人は決まる」と言っており、ラカンは「大人になれよ」と言っており、フーコーは「私はバカが嫌いだ」と言っているのでした。
ね?簡単に読めそうでしょ。まさに寝ながら学べる、という看板に偽りなし。
勿論、本書は入門書であり、正確さよりも分かり易さにその比重が置かれているようです。故に、正確な知識を求める方の要求には間違いなく応えることができないでしょうが、構造主義という思想について概観し、なんとなく頭の中の抽斗に整理するにはうってつけであると思います。
前構造主義者の思想家としてマルクス、フロイト、ニーチェ、構造主義の始祖ソシュール、そして、構造主義第三世代の四銃士フーコー、バルト、ストロース、ラカンの思想が、どのような文脈をもってつながっているかを含めて語られています。自己領域を拡充する意味で本書に手をつけてみるのもよいでしょう。
日本で一番名前と著作が売れている公認会計士は誰かと聞かれれば、ほとんどの人が勝間和代か山田真哉のどちらかを挙げるのではないでしょうか?では、
一番タメになって、使えるうえに面白い会計本を書く人は?と聞かれたら、誰を思い浮かべるだろう?
きっと皆さん、色々な方を挙げられるでしょうし、意見が一致するわけもないでしょうが、僕の独断と偏見によって勝手に選ばせていただけるのであれば、断定形をもってこう言うでしょう。
| 1,890円(税込み) |
| PHPエディターズグループ |
| 高田直芳 (著) |
| おすすめ度 |
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★★★★★ |
| お役立ち度 |
: |
★★★★★ |

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そんなの、高田直芳に決まってるジャン。いや、高田直芳しかいない、・・・・・と。世の中には近年異常繁殖傾向がみられる外来種のカツマーが跋扈しておりますが、その陰でひっそりと在来種かつ希少種のタカダーがいてもよいじゃないですか、と密かに思ってたりします。
とまぁ、まるで教祖様を崇める信者のように思いの丈をぶちまけてみたのですが、このような個人的な嗜好を何割か割り引いて冷静に評価しても、タカダ本のクオリティは高いと思います。オススメです。ちなみにこの、ほんとうにわかる株式投資は、個人的には高田直芳の本の中でも導入に適していると思います。
さて、余談は以上にしてやっとこさ本書の紹介に参りましょう。(と言っても、書き散らしただけなので、とっても分かりにくいかと思いますが、耐えて下さい。いつの日か読むことがあるかもしれない本書の分かり易さが、まるで天啓のように感じられることでしょう。)
この本は、企業の財務情報に基づいた株式投資をどのように行うかについて書かれた本で、本の導入部にはfor beautiful human lifeのカネボウが行った粉飾決算をケース・スタディとして、どのような数値に注意していれば粉飾決算発覚前に財務情報のみで粉飾決算を見破れたのか、について検討しています。
カネボウの財務データでは、売上高は毎年減少し続けているのに、経常利益や当期純利益は途中でV字回復を果たしていること、その理由の説明として営業活動キャッシュ・フローや純資産、総資産の額では説明がつかないこと、流動資本キャッシュフロー(本書では流動資産と流動負債の差額で、短期の資金繰りが健全かどうかのザックリとした指標として用いている。)がマイナスの数値であり、コイツが犯人であること等が述べられています。
その理由は、流動資産よりも流動負債が多いことから支払手形や買掛金、短期借入金等の返済が流動資産内だけでは不足し、固定資産を切り売りしたり、追加の借入金を何度も要請したり、といった自転車操業になる事態が予想されるから。
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リクルートの創業者・江副浩正が書いたサブプライム問題以前に書いていた新書。不動産に関する知識が網羅的に紹介されている、との帯文に嘘偽りなしの出来栄えで、ただ不動産市況を概観するにはいい本だと思います。また、それ以上を望まないほうが無難だと思います。
| 777円(税込み) |
| 中央公論新社 |
| 江副浩正(著) |
| おすすめ度 |
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★★★☆☆ |
| お役立ち度 |
: |
★★★☆☆ |

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この本を読むと埋め立てや法の改正、住宅取得による優遇税制等により、建て替え需要を喚起させ、スクラップアンドビルドを繰り返すという土建屋国家ニッポンの縮図が見て取れます。もちろんそこには資本主義の論理に適った、使える床面積を創出することに主眼が置かれ、使える床面積を増やす手っ取り早い方法としての超高層ビルは絶対的な正義であるかのように礼賛されています。
更に、超高層ビルを多数、高密に建設する事によって、麻布・六本木エリアや丸の内エリアはより魅力を増したため、中・長期的にみても都心部の地価は値上がりしていくでしょう、と述べています。反対に地価が値下がりしていくのは、都心部へと人口が流出する郊外を中心に街としての魅力に欠けるところです、ともおっしゃっております。
ちなみに、都市としての魅力として著者が思い描くのはマンハッタンのようです。お友達である森ビル・森稔と共に、『土地を高度利用して都心の夜間人口150万人のマンハッタンのようにしたい』と熱く語り明かしたホテルオークラ12階のバーでの、若き日の原体験が筆者をニューヨーク大好き、高所からワイングラス片手に眼下を睥睨するのが大好き人間へと変貌させた可能性があります。
つまりのところ、筆者の頭の中にはまずグローバリゼーションとしてのマンハッタニズムがあるようで、超高層ビルをどんどん建てて、わが街も世界都市の仲間入りができたぞ、と無邪気に喜ぶ姿を思い描いて頂ければ、実像とそうは食い違っていないのではないかと思います。
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拡大と膨張とを梃子にして栄華を極めた人類は、地球の容量や資源には限界があるという制約条件の下で、成長の臨界点に向けて突き進んでいった。しかし、地球の有限な資源を無尽蔵に利用するという前提の下での成長は壁にぶち当たり、瓦解の危機に瀕している。資本主義経済は万能だ、という信念は幻想に過ぎなかった。心の中に刻まれた爪痕はあまりにも大きく、限界を露呈した資本主義経済に変わるパラダイムが希求されている。そして、地球の存亡に関わる危機を乗り越えるには、今あるリソースを有効利用し、あるものを生かすという方向へと舵が切られていく必要がある。本書シュリンキング・ニッポンはそのような戦略の一端をファイバー・シティという構想を通して呈示している。
| 2,940円(税込み) |
| 鹿島出版会 |
| 大野秀敏(著) |
| おすすめ度 |
: |
★★★★★ |
| お役立ち度 |
: |
★★★☆☆ |

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・・・・と、仰々しく書き出してみたが、この本は、最後まで拡大し続ける欲望を抱いた資本主義を、巨大化や高層化、高密化だけが本当の幸せじゃないだろう?と懐疑的な眼で眺める著者らによる、資本主義の奔流といかに闘うか、それと違う可能性をいかに見いだしていくか、について都市計画の論考等をまとめたものである。
ではなぜ、そのような論考に耳を傾ける必要があるのかというと、答えは簡単で、長期的に需要が減少するのに、需要が無限に増加するという仮定のもとで都市計画が立案されているからである。本書から引用してみよう。
これまでの都市計画の法体系、手法、実行組織、建築関連の法規、デザイン思想など、いずれも20世紀に形成されたものであり、膨張を前提にでき上がっている。具体的にいえば再開発、区画整理、ニュー・ディール政策、ハワードの田園都市構想、ル・コルビュジェの現代都市構想など、いずれも地価の上昇、需要の無限成長を前提としているが、このような手法は現代ですら立ち行かなくなっている。
このような膨張を前提に、地価の上昇、需要の無限成長を仮定した都市計画は、年月を重ねるごとにその理論的脆弱性が露呈する。それは、長期的に人口が減少するからで、人口減少⇒需要減少⇒地価下落というスパイラルが待ち構えているからである。
では、どれほど人口が減少するのだろうか。国立社会保障・人口問題研究所の推計データを参照してみよう。
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によると、 出生率仮定(長期の合計特殊出生率)の中位仮定を1.26、 死亡率仮定(長期の平均寿命)の中位仮定を男=83.67年、女=90.34年としたとき、 総人口は平成17年(2005年)の12,777万人から 平成42年(2030年)11,522万人、 平成62年(2050年)9,515万人、 平成67年(2055年)8,993万人へと大幅な人口減少が予想されている。 そして、今後50年弱でおよそ4,000万人の人口減少を被るであろう未来の人口を年齢構成別にみると、さらに恐ろしい事実が冷酷なまでに淡々と記述されている。
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プリンストン大学留学時代に現FRB議長ベン・バーナンキとノーベル経済学賞受賞者ポール・クルーグマン教授から影響を受けて、インフレ目標論者へと転向(変貌?)した著者が、金融政策の有用性を語り、それと平行して日銀をコケ降ろしている新書。 ところどころに欧米の政策礼賛と日本はダメだ的な記述が散見されるのはご愛敬。
| 777円(税込み) |
| 光文社新書 |
| 高橋洋一 (著) |
| おすすめ度 |
: |
★★★☆☆ |
| お役立ち度 |
: |
★★★☆☆ |

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この金融政策が日本経済を救う、というタイトル通りに、金融政策の有用性を意識付けしたかったのかもしれませんが、日本経済の景気低迷の原因が、06から07年にかけて行った金融引き締めにある、というのは些か行き過ぎ、というか、言い過ぎ。自分が正しいと思う言説や理論を開陳するのは結構なことですが、少々突っ走りすぎてしまったようです。
感想はさておき、本書の内容を少々。
まず本書では、1929年の世界大恐慌からの脱出は、金本位制からの離脱による金融緩和が原因であり、F.D.ルーズベルト大統領のニューディール政策によるものではないことを、バーナンキの大恐慌論文集(Essays on the Great Depression)を引用して説明している。まとめると、以下のような感じ。
| 1. |
世界の24ヶ国を金本位制に対するスタンスに基づいて、4つのグループに分類し、グループごとのデフレ脱却状況を比較して、金本位制を採用していないか、金本位制から離脱した時期の早いグループの方が、そうでないグループよりもデフレから脱却した時期が早かった。 |
| 2. |
金本位制の下では通貨の量が金の保有量に規定される為、 金利を調節して通貨の量をコントロールできず、 金融政策の独立性が担保されない。 |
1、2より、金融政策の独立性が担保されない金本位制からの脱却が早かったグループの方が、そうでないグループよりも大不況から脱出するのが早かった事から、
金融政策がデフレ脱却の主因である。 故に、金融政策はとても重要で。
(ちなみに、国際経済学では、為替の安定、貿易・資本移動の自由、金融政策の独立性の3つを同時に達成することは出来ないされていて、これを国際金融のトリレンマというそうです。)
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