プリンストン大学留学時代に現FRB議長ベン・バーナンキとノーベル経済学賞受賞者ポール・クルーグマン教授から影響を受けて、インフレ目標論者へと転向(変貌?)した著者が、金融政策の有用性を語り、それと平行して日銀をコケ降ろしている新書。 ところどころに欧米の政策礼賛と日本はダメだ的な記述が散見されるのはご愛敬。
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この金融政策が日本経済を救う、というタイトル通りに、金融政策の有用性を意識付けしたかったのかもしれませんが、日本経済の景気低迷の原因が、06から07年にかけて行った金融引き締めにある、というのは些か行き過ぎ、というか、言い過ぎ。自分が正しいと思う言説や理論を開陳するのは結構なことですが、少々突っ走りすぎてしまったようです。
感想はさておき、本書の内容を少々。
まず本書では、1929年の世界大恐慌からの脱出は、金本位制からの離脱による金融緩和が原因であり、F.D.ルーズベルト大統領のニューディール政策によるものではないことを、バーナンキの大恐慌論文集(Essays on the Great Depression)を引用して説明している。まとめると、以下のような感じ。
| 1. | 世界の24ヶ国を金本位制に対するスタンスに基づいて、4つのグループに分類し、グループごとのデフレ脱却状況を比較して、金本位制を採用していないか、金本位制から離脱した時期の早いグループの方が、そうでないグループよりもデフレから脱却した時期が早かった。 |
| 2. | 金本位制の下では通貨の量が金の保有量に規定される為、 金利を調節して通貨の量をコントロールできず、 金融政策の独立性が担保されない。 |
1、2より、金融政策の独立性が担保されない金本位制からの脱却が早かったグループの方が、そうでないグループよりも大不況から脱出するのが早かった事から、金融政策がデフレ脱却の主因である。 故に、金融政策はとても重要で。
(ちなみに、国際経済学では、為替の安定、貿易・資本移動の自由、金融政策の独立性の3つを同時に達成することは出来ないされていて、これを国際金融のトリレンマというそうです。)






