分子生物学者の福岡伸一は自著
できそこないの男たちの一節において、このように若き日の原体験を綴っている。
こんなやりとりを流していた。
I am thinking to quit the job. (仕事を辞めようと思っているんだ)
Why?(どうしてまた?)
I think that I need some life changer. (ライフチェンジャーが必要なんだ)
ライフチェンジャー?
両替機のように、そんなものが転がっていれば便利なのに。
何気ない英会話の陳腐なフレーズが啓示に聞こえるほど、
私は疲れすぎていたのかもしれない。
そんなものを定期的に聞いていたこと自体が、
風のない京都盆地の底から脱出することを
考え始めていた思いの表れだったのだろう。
私は確かに酸欠状態に陥っており、
人生の転機(ライフチェンジャー)を求めていた。
現代都市生活における自己実現は消費活動によってのみ基礎付けられる。
欲望が尖鋭化し、殺伐とした社会システムの中で、自己の存在意義や
働く意味など忘れ去られ、人々は日々の流れに押し流されてゆく。
ライフチェンジャーを希求するすべての人に、この本を読んで頂きたい。
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心地よさと便利さが存在する生活は
都市にのみ在るわけではない。
人生をスローダウンしよう。
スローダウンの鍵は郊外にある。
もちろん、都市の完全否定などする気はない。
答えの一つは郊外と都市の間にある。
何かを犠牲にするわけでもなく、すべてをバランスよく手に入れる。
その為の郊外と都市の二拠点生活。
建築家・馬場正尊が提案した、郊外と都市の二拠点生活という現代都市生活に対する処方箋は、適用条件に制限があり、万人に対して使用できる訳ではない。しかし、閉塞した環境を打破するとか喪われてしまった何かを取り戻す、といった効能を有し、現代都市生活という病に対して著効を示す唯一の解であるのかもしれない。
新たな環境へと一歩踏み出すことは人生の転機の契機になり得る。新たな環境、新たな生活、新たな友人。それらはあなたの人生を再定義し、良い方向へと進む道標となろう。




