拡大と膨張とを梃子にして栄華を極めた人類は、地球の容量や資源には限界があるという制約条件の下で、成長の臨界点に向けて突き進んでいった。しかし、地球の有限な資源を無尽蔵に利用するという前提の下での成長は壁にぶち当たり、瓦解の危機に瀕している。資本主義経済は万能だ、という信念は幻想に過ぎなかった。心の中に刻まれた爪痕はあまりにも大きく、限界を露呈した資本主義経済に変わるパラダイムが希求されている。そして、地球の存亡に関わる危機を乗り越えるには、今あるリソースを有効利用し、あるものを生かすという方向へと舵が切られていく必要がある。本書シュリンキング・ニッポンはそのような戦略の一端をファイバー・シティという構想を通して呈示している。
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・・・・と、仰々しく書き出してみたが、この本は、最後まで拡大し続ける欲望を抱いた資本主義を、巨大化や高層化、高密化だけが本当の幸せじゃないだろう?と懐疑的な眼で眺める著者らによる、資本主義の奔流といかに闘うか、それと違う可能性をいかに見いだしていくか、について都市計画の論考等をまとめたものである。
ではなぜ、そのような論考に耳を傾ける必要があるのかというと、答えは簡単で、長期的に需要が減少するのに、需要が無限に増加するという仮定のもとで都市計画が立案されているからである。本書から引用してみよう。
これまでの都市計画の法体系、手法、実行組織、建築関連の法規、デザイン思想など、いずれも20世紀に形成されたものであり、膨張を前提にでき上がっている。具体的にいえば再開発、区画整理、ニュー・ディール政策、ハワードの田園都市構想、ル・コルビュジェの現代都市構想など、いずれも地価の上昇、需要の無限成長を前提としているが、このような手法は現代ですら立ち行かなくなっている。
このような膨張を前提に、地価の上昇、需要の無限成長を仮定した都市計画は、年月を重ねるごとにその理論的脆弱性が露呈する。それは、長期的に人口が減少するからで、人口減少⇒需要減少⇒地価下落というスパイラルが待ち構えているからである。
では、どれほど人口が減少するのだろうか。国立社会保障・人口問題研究所の推計データを参照してみよう。
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によると、 出生率仮定(長期の合計特殊出生率)の中位仮定を1.26、 死亡率仮定(長期の平均寿命)の中位仮定を男=83.67年、女=90.34年としたとき、 総人口は平成17年(2005年)の12,777万人から 平成42年(2030年)11,522万人、 平成62年(2050年)9,515万人、 平成67年(2055年)8,993万人へと大幅な人口減少が予想されている。 そして、今後50年弱でおよそ4,000万人の人口減少を被るであろう未来の人口を年齢構成別にみると、さらに恐ろしい事実が冷酷なまでに淡々と記述されている。






