リクルートの創業者・江副浩正が書いたサブプライム問題以前に書いていた新書。不動産に関する知識が網羅的に紹介されている、との帯文に嘘偽りなしの出来栄えで、ただ不動産市況を概観するにはいい本だと思います。また、それ以上を望まないほうが無難だと思います。
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この本を読むと埋め立てや法の改正、住宅取得による優遇税制等により、建て替え需要を喚起させ、スクラップアンドビルドを繰り返すという土建屋国家ニッポンの縮図が見て取れます。もちろんそこには資本主義の論理に適った、使える床面積を創出することに主眼が置かれ、使える床面積を増やす手っ取り早い方法としての超高層ビルは絶対的な正義であるかのように礼賛されています。
更に、超高層ビルを多数、高密に建設する事によって、麻布・六本木エリアや丸の内エリアはより魅力を増したため、中・長期的にみても都心部の地価は値上がりしていくでしょう、と述べています。反対に地価が値下がりしていくのは、都心部へと人口が流出する郊外を中心に街としての魅力に欠けるところです、ともおっしゃっております。
ちなみに、都市としての魅力として著者が思い描くのはマンハッタンのようです。お友達である森ビル・森稔と共に、『土地を高度利用して都心の夜間人口150万人のマンハッタンのようにしたい』と熱く語り明かしたホテルオークラ12階のバーでの、若き日の原体験が筆者をニューヨーク大好き、高所からワイングラス片手に眼下を睥睨するのが大好き人間へと変貌させた可能性があります。
つまりのところ、筆者の頭の中にはまずグローバリゼーションとしてのマンハッタニズムがあるようで、超高層ビルをどんどん建てて、わが街も世界都市の仲間入りができたぞ、と無邪気に喜ぶ姿を思い描いて頂ければ、実像とそうは食い違っていないのではないかと思います。






