本日の一冊は、かつてマッキンゼーの日本代表を務め、現在はビジネス・ブレークスルー大学院大学の学長を務める著者が、現在の日本の
「知の衰退」を嘆き、そこから抜け出す方法を指南した一冊。
大前研一氏は、こんな問いかけをする。
「考える力があって知識が足りない人間」と
「考える力はないが知識を詰め込まれた人間」とでは、
この21世紀にどちらが有利ですか?
画一的な詰め込み式教育で育った若者は、○か×かの二者択一には答えられる。ともかく教えられたことを記憶すればいい。そして、
その記憶を試験で正確に吐き出せば、偏差値が高いと評価される。しかしながら、はたしてこれが
「学力」といえるのだろうか?
テレビ番組で「納豆がダイエットにいい」と紹介されると、何も考えずに買い占めに走り、翌日には日本中のスーパーから納豆が消えてしまう。納豆の次はバナナだ。また、中国産の冷凍ギョーザから毒物農薬が検出されると、ろくに検証もせず、中国産食材がスーパーや食卓から消えてしまう。
こうした現象の根底には、メディアがいたずらに煽るからという見方もあるだろうけど、そもそも人々がものごとを
"自分で考えない"からではないのだろうか?
そして、最近のテレビは「クイズ番組」と「お笑い番組」ばかりを量産し、視聴者に
"ものを考える"ことすら放棄させてしまっている感がある。要するに、普通に生きているだけでは、ものを考えなくなる人間が大量増殖するという「知の衰退ループ」に陥るわけだ。
本書では、日常的にものを考えない思考停止した日本人が生み出すバカっぽい現象を多数取り上げつつ、そこからいかに抜け出すかを指南する構成になっている。いかに自分の頭で考えるか。そのための提言が本書の副題にズバリ示されています。
社会全体が「別に、それでいい」と知の衰退に陥ってしまっており、
IQが低くなってしまっている。
集団に覚醒を呼びかけても応じてくれない。
「ピンチこそチャンス」と危機を脱出するのは気がついたあなただ。
たとえ1人でも、行動を起こすしかない。
誰も率先して行動しようとはしない現代の日本社会において、
その作業はあなただけのユニークなものになるはずだ。
人と違うことを恐れてはいけない。
むしろ、横並び意識を捨てなければ生き残れないと肝に銘ずべきだ。
「そうだ!僕はユニークな生き方をしよう!!」
・・・意外と深い副題だったりします。