医療費に関する財源不足のあおりを食らった形で現出した昨今の医師不足問題の陰では、やたらと歯科医師が異常増殖し、どこもかしこも歯科医院を見ない場所は無いといった様相を呈している。歯科業界全体の市場規模は監督官庁である厚生労働省の胸先三寸で決まり、縮小均衡状態。
それでも、歯科業界への新規参入者である国家試験合格者は毎年3,000から4,000人程度輩出される為、(ちなみに医師国家試験合格者は7,000から8,000人程度。)昨今の歯科業界は少ないパイを奪い合うホッブス的な自然状態にある。
そんなお寒い歯科業界と懐事情が厳しい歯科医師の窮地を救うスーパースターがインプラント治療である。この一本埋入で一般的な相場がおよそ40万円という、健康保険法完全適用外、自費診療onlyのインプラントは、患者側の義歯に対する心理的抵抗感や潜在的な不満感、及び歯科器材メーカーの戦略と相俟ってか、何だかインプラントはいいらしいという社会的な認知を得るまでに一般に遡及した感がある。
そして、インプラントが歯科医院の経済状況を改善し得るという否定し難い側面を内包している為か否かは不明であるが、患者側へと提供されるインプラントに関する情報は良い面を過剰に強調し、悪い面を表に出さないか、出してもサラッと流すかといった情報統制まがいの事が行われている感がある。
つまり、義歯やブリッジといった既存の選択肢と比較した際の便益を強調し、そのリスクも高い事に言及しない訳で、そういう情報の出し方をするのであれば、何らかの不具合が生じた際にトラブルの原因になるであろう事は予想がつく。
リターンのみを比較し、そのリスクを考量に入れないのはかなり危険。
でも、インプラントの治療方法、優位点、施術数といった情報は簡単に手に入れられるが、そのリスクについての説明は「ちゃんとお手入れしないとダメになっちゃうかもしれないから、定期的にリコールします。」程度の事しか触れられていないのが関の山。それでは、もっとインプラントのヤバイ側面をも正直に書き綴った本は無いものか?
「あるよ。ディープなヤツが。」
| それからの裸のインプラント | |
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