新書なのに専門用語を羅列し、所々でその説明を端折る、その割に文章自体は平易で簡素、というターゲット層がいささか不明な本。
ものすごく偏向した要約をすれば、「総義歯出身のインプラント医である私が、既存のインプラント治療においては手術適応に該当しないであろう症例をも、その最先端かつ高度な知識と技術によって、機能と形態を回復してしんぜよう。」といった内容であろうか。
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一見誠実そうに、歯周疾患の生理学的なメカニズムや歯周病原菌、適合性や辺縁封鎖性の良い義歯の作成において注意する点、オッセオインテグレーションという知見を発見するに至ったブローネマルク大先生の研究の歴史とチタンの所要性質、といった内容について説明をしているが、所詮これらは最終章の「ここまで進んだ驚異のインプラント治療」を輝かせる為の端役でしかない・・・・・ように感じるのは自分だけだろうか?
そして、筆者オリジナルの即日完成インプラント治療「MAXIS NEW」の本書に掲載されている治療例が、上顎洞を穿孔し、下歯槽神経を損傷するような深さまで埋入されているように見えるのも自分だけだろうか?
そもそも、インプラントを埋入するには骨量が足りない症例において、GBRやサイナスリフトで骨を増生したり、腸骨等の一部を取って来て移植したり、挙句の果てには上顎骨に打ち込めないので頬骨に打ち込んだり、といった事が行われている点については、必要性があり、需要があるわけで、それを否定する気など全くないし、術者側・患者側双方に敬意を抱いてはいるが、人体改造に思えてならないのは何故だろう?
結局のところ、どこまで行こうが、戦略的抜歯は抜歯だし、創造的破壊は破壊なわけで、嬉しい悲鳴は悲鳴なんだよね、などと思ってしまう今日この頃。
そして、いつも思う。これって、書評じゃなくて単なる感想文だな、と。それも、雑感に近い程度の。




