新しいアイディアはごく限られた天才の頭上にのみ降り注ぐ天啓などではなく、ましてや無から有を創造するものでもない。それは、既存のものと既知のものを今までに無い組み合わせで再構築したものである。
金融業界とエンタテイメント業界。
この接点の欠片も無いような、あまりにもかけ離れた業界同士の知識や技術を掛け合わせて再構築したら、エンタテイメントの証券化という魅力的な解答が導きだされた。 このエンタテイメントの証券化という未開の領域へと踏み込み、金融業界とエンタテイメント業界双方の可能性の拡充に先鞭を突き付けた筆者ふたりが語る体験談には、先駆者ならではの苦悩と、それを大きく凌駕する希望が詰まっている。
以上、オシマイ。
| 文化に投資する時代 | |
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亀田 卓 朝日出版社 2009-02-27 売り上げランキング : 50096 おすすめ平均 ![]() 読みやすく、どちらかの業界にいると相手側が理解できるようになる本 マスコミ業界に身を置いていたものです。 就職活動中の学生にも読ませたい本です。働くって面白い!Amazonで詳しく見る この本のレビュー を読む |
・・・・・・・では、あまりにも味気ないので、金融業界とエンタメ業界の食い違いっぷりがどれ程のものかを少々書き散らしてみたい。
夏がだめだったりセロリが好きだったりするのねましてや
男と女だからすれちがいはしょうがない
と、山崎まさよしはセロリで唄っているが、金融業界とエンタテイメント業界はあまりにも環境が違いすぎて、すれちがいどころか断絶している。
お堅いメガネの銀行マンと業界用語を駆使するチャラいプロデューサーというステレオタイプの空想をするまでもなく、とりあえず相性は最悪そう。もしかしたら、スラムダンクの桜木花道と流川楓以上に相性が悪いのかもしれない。
例えば、金融業界に多く存在するであろう「お金にキッチリしていて、勤勉で、さらにお金を稼ぐことに熱意がある人」は、エンタメ業界の人間に言わせれば、「お金にうるさく"金に汚い人間"」になり、金融業界の人間が蛇蝎の如く嫌悪するであろう「お金に対してアバウトで"お金にルーズな人間"」は、エンタメ業界からすれば「お金にこだわりが無く鷹揚で、人間関係や自分の好きなことを大切にしている人間」という好感の持てる人物になる、というのが好例であろう。
これは、両業界の文化や価値観の相違に根ざした物事を眺める視点の違いからもたらされたものであり、同じ人物を評しても、その評価機構が違う為に、一方に言わせれば「義理堅く人情味がある、いわゆる"浪花節の分かる人"」も、もう一方に言わせれば「ビジネスの中にまで人間関係を持ち込んでくる"私情を絡めて人間"」に成り下がり、「公私をしっかりと分け、ビジネスにおいては是は是、非は非としっかり判断をしていく人間」は「ビジネスライクで人情味がない"義理を欠く人間"」へと貶められるのである。
事物に対する評価機構の異なる相容れない人種同士の上に、使用言語もまるで異なり、その乖離幅は異国言語に触れているかの如し。
投資と融資の違いが分かるエンタメ業界の人はどれだけいるのだろう?
制作と製作の違いが分かる金融業界の人はどれだけいるのだろう?
商法上の匿名組合と民法上の任意組合の違いは?
プロデューサーとディレクターの違いは?
一方の業界にとっては当たり前のことでも、他方にとってはチンプンカンプン。
そんな言葉生まれて初めて聞きました、なんてことも多かろう。
こんな、まるで接点のない金融業界とエンタメ業界をくっつけてみたら、
どのような化学反応が起こるのか。
そしてどのようなことが出来るのか。その答は本書の中に。
安西先生が桜木と流川を評して、「案外、日本を騒がせるコンビになるかも」とその将来を暗示したように、金融とエンタメのコラボには夢と希望が詰まっている。






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